top of page

4つの基本原則

誠実・率直・対等・自己責任とは

「アサーティブに伝えたいのに、なんだかうまくいかない」。

そんなときは、伝え方の「型」だけでなく、その土台にある「考え方」を見直すと、ヒントが見つかることがあります。

アサーティブコミュニケーションには、大切にしたい4つの基本原則があります。

それが「誠実」「率直」「対等」「自己責任」です。

この記事では、それぞれの意味を、できていない例とできている例で解説します。

アサーティブコミュニケーションの全体像は、「アサーティブコミュニケーションの基礎知識」のページで紹介しています。

4つの基本原則|早わかり

  • 誠実:自分にも相手にも、ごまかさずに向き合う

  • 率直:遠回しにせず、伝わる形で話す

  • 対等:お互いを、同じように大切な人として扱う

  • 自己責任:自分の言動を、自分で選んで引き受ける

この4つは、どれかひとつだけを実践するものではなく、セットで考えるものです。ひとつずつ見ていきましょう。

誠実|自分にも相手にも、ごまかさない

誠実とは、自分の気持ちに正直であること、そして相手に対しても、うそやごまかしなく向き合うことです。意外と見落としやすいのは、「自分の気持ちに気づく」という部分です。本当は嫌なのに「いいよ」と答えてしまうとき、私たちは相手だけでなく、自分の気持ちにも不誠実になっています。

「なんとなく嫌だな」と感じた小さなサインを、見ないふりしないことが、誠実の第一歩です。

​

できていない例:行きたくない誘いに、「行けたら行くね」とあいまいに答える。
できている例:「誘ってくれてありがとう。今回は少し休みたいので、見送らせてください」

​

誠実は、気持ちをすべて打ち明けることではありません。理由まで細かく話さなくても、うそをつかず、自分の本音を自分で認めていれば、それは誠実です。迷ったときは、「今、私は本当はどうしたいんだろう」と、自分に一度たずねてみてください。

誠実にできていない例とできている例

率直|遠回しにせず、伝わる形で話す

率直とは、言いにくいことも、遠回しにせず、相手に伝わる形で話すことです。ここで注意したいのは、率直は「思ったことを何でも強く言う」ことではない、という点です。きつい言い方になれば、それは攻撃型になってしまいます。

やわらかい言葉で、でもはっきりと伝えるのが、アサーティブな率直さです。

​

できていない例:「最近、忙しそうに見えるよね…」とほのめかして、相手に察してもらおうとする。
できている例:「今の仕事量が多くて、少し手伝ってもらえると助かります」

​

「察してほしい」という期待は、相手にとっても負担になります。伝わる形で話すことは、相手への思いやりでもあります。コツは、結論を先に言い、理由は短く添えることです。「ちょっと」「できれば」「なるべく」といった言葉を重ねるほど、本当に伝えたいことがぼやけてしまいます。

伝わる会話、職場の好例と悪例

対等|お互いを、同じように大切にする

対等とは、立場や年齢、性別、役割が違っても、お互いを同じように大切な人として扱うことです。自分を下に置いて、相手に気をつかいすぎるのも、相手を見下して強く出るのも、対等ではありません。

​

できていない例:上司には何も言えないのに、部下にはきつく言ってしまう。
できている例:上司にも「私はこう考えています」と意見を伝え、部下の意見にも、最後まで耳を傾ける。

​

対等は、「意見が同じ」という意味ではありません。意見が違っても、お互いに自分の考えを伝える権利がある、ということです。親子や夫婦、年の離れた友人など、近い関係ほど「わかってくれて当然」と思いがちなので、あらためて意識したい原則です。

対話で変わる職場の空気

自己責任|自分の言動を、自分で引き受ける

自己責任とは、伝えるかどうか、どう伝えるかを自分で選び、その結果も自分で引き受けることです。同時に、相手の反応は相手の選択であり、自分でコントロールできないと認めることも含まれます。「何でも自分のせい」という意味ではありません。
 

できていない例(相手のせいにする):「あなたが怒らせるから、きつい言い方になった」。
できていない例(全部背負い込む):断られて、「私の言い方が悪かったんだ」と、自分を責め続ける。
できている例:きつい言い方になったと気づいたら、「言い方がきつくなって、ごめんなさい」と、自分の言動を引き受ける。断られたら、「そうなんですね、わかりました」と、相手の選択として受け止める。
 

自分にできるのは、誠実に、率直に伝えるところまでです。その先は、相手の自由に任せる。そう考えると、気持ちがぐっとラクになります。自己責任は、相手を突き放すことでも、「あとは知らない」と投げ出すことでもありません。自分の役割をきちんと果たしたうえで、相手の領分を尊重する、という姿勢です。

自己責任できていない例できている例

4つの原則とDESC法のつながり

DESC法の4ステップには、4つの基本原則が、それぞれ息づいています。

型だけをまねても、原則が抜けていると、相手を動かすためのテクニックになってしまいます。4つの原則を土台にすることで、DESC法が「自分も相手も大切にする伝え方」として生きてきます。

D:事実を伝える

土台になる原則は「誠実」です。

事実をごまかさず、ありのままに伝えます。

S:提案・お願いをする

土台になる原則は「率直」と「対等」です。

命令ではなく、お願いとして伝えます。

C:選択する

土台になる原則は「対等」と「自己責任」です。

相手に断る自由を残し、その結果を自分で引き受けます。

E:気持ちを伝える

土台になる原則は「誠実」と「率直」です。

本音を、相手にわかる言葉で伝えます。

4つの原則を使うときのコツ

4つは、セットで使うことで、バランスが取れます。たとえば、誠実と率直だけで押すと、正直に伝えているつもりでも、攻撃的に聞こえてしまうことがあります。逆に、対等と自己責任を忘れると、相手の反応を気にしすぎたり、言いっぱなしになったりしてしまいます。

​

迷ったときは、次の4つの問いかけを、順番に自分にしてみてください。

​

  • 自分の気持ちを、ごまかしていないかな

  • 遠回しで、伝わりにくくなっていないかな

  • 相手を見下したり、自分を卑下したりしていないかな

  • 相手の反応まで、コントロールしようとしていないかな

​

どれかに引っかかったら、そこを見直すだけで、伝え方は変わります。

陽だまりのカフェで弾む会話.png

考え方も、一緒に学びませんか

日本アサーティブクラブでは、4つの基本原則を土台に、アサーティブコミュニケーションをオンライン(Zoom)で学べる講座を開いています。

どちらも初心者歓迎、参加無料です。ひとりでは気づきにくい自分のクセを、仲間と一緒に、ゆるっと楽しく見つけられます。

まとめ

  • アサーティブの4つの基本原則は、誠実・率直・対等・自己責任

  • 誠実は、自分の気持ちにも相手にも、ごまかさないこと

  • 率直は、遠回しにせず、やわらかく伝わる言葉で話すこと

  • 対等は、立場が違っても、お互いを同じように大切にすること

  • 自己責任は、自分の言動を引き受け、相手の反応は相手の選択と考えること

bottom of page