アサーティブコミュニケーションのやり方
DESC法を例文で解説
「伝えたほうがいいとわかっているのに、どう言えばいいかわからない」。そんなときに役立つのが、アサーティブコミュニケーションの基本の型「DESC法」です。
4つのステップに沿って考えるだけで、気持ちが整理でき、相手にも伝わりやすい形で話せるようになります。この記事では、DESC法のやり方を、職場・友人・家族の場面別の例文で解説します。
アサーティブコミュニケーションそのものについては、「アサーティブコミュニケーションの基礎知識」のページをご覧ください。
DESC法とは?
DESC法(デスク法)とは、自分の気持ちや要望を、相手を尊重しながら伝えるための4ステップの型です。Describe(描写する)、Express(表現する)、Specify(提案する)、Choose(選択する)の頭文字をとっています。
「なんとなく」伝えようとすると、感情が先に出てしまったり、遠回しになりすぎて伝わらなかったりします。型があれば、何を、どんな順番で話すかが決まるので、緊張する場面でも言葉を組み立てやすくなります。
4つの順番には意味があります。先に事実を共有すると、お互いに同じ状況を見ながら話せます。そのうえで気持ち、お願いの順に進めることで、相手も構えずに聞くことができます。

DESC法の4ステップ
D:事実を伝える(Describe)
まず、起きている状況を、客観的な事実だけで伝えます。「いつも」「必ず」といった決めつけや、自分の推測は入れません。
例:「先週と今週、会議の資料が 前日の夕方に届いています。」
事実に対する自分の気持ちを、「私は〜と感じています」と、主語を「私」にして伝えます。相手を責めるのではなく、自分の気持ちを説明するのがポイントです。
例:「準備の時間が足りず、少し焦っています。」
E:気持ちを伝える(Express)
相手に何をしてほしいのかを、具体的に伝えます。「もう少し早く」ではなく、日時や数をはっきりさせると、相手も動きやすくなります。
例:「前日の午前中までにいただけると助かります。」
S:提案・お願いをする(Specify)
相手が受け入れてくれた場合と、難しいと言われた場合の、どちらについても考えておきます。相手に断る自由を残すことが、対等な関係につながります。
例:「難しければ、いつなら可能 か教えてください。」
4つをつなげると、こんなふうになります。
「先週と今週、会議の資料が前日の夕方に届いています。準備の時間が足りず、少し焦っています。前日の午前中までにいただけると助かります。難しければ、いつなら可能か教えてください。」
C:選択する(Choose)

ここでは、「会議の資料が、いつも前日の夕方に届いて困っている」という場面を例に、4つのステップを順番に見ていきます。
場面別の例文
職場:頼まれごとを断る
状況:上司から急ぎの仕事を頼まれたが、今週は手一杯。
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D「今週は、A社の提案書とB社の見積もりの提出が重なっています。」
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E「お引き受けしたい気持ちはあるのですが、中途半端になりそうで心苦しいです。」
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S「来週の火曜以降でしたら、取りかかれます。」
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C「今週中に必要でしたら、優先順位を相談させてください。」
状況:共有ファイルの更新が、しばらく止まっている。
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D「共有ファイルの更新が、2週間止まっています。」
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E「最新の状況がわからなくて、少し不安になっています。」
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S「毎週金曜に更新してもらえると、助かります。」
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C「その日が難しければ、ほかの曜日でも大丈夫です。」
職場:同僚に改善をお願いする
状況:友人からの夜遅い長電話が続いている。
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D「ここ最近、夜11時すぎの電話が週に3回ほど続いているよね。」
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E「話すのは楽しいけれど、翌朝がつらくて、疲れが残っているんだ。」
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S「電話は夜9時までにしてもらえると、ゆっくり話せると思 う。」
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C「その時間が難しいときは、メッセージでやりとりするのはどうかな。」
友人・家族:負担に感じていることを伝える

状況:夕食の片づけを、ここ数日ひとりで続けている。
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D「今週は、夕食の片づけを私が4日続けてやっています。」
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E「疲れがたまってきて、少し余裕がなくなっています。」
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S「週に2日は、片づけをお願いできるかな。」
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C「曜日が合わないときは、どの日ならできるか話し合おう。」
友人や家族には、かしこまった言葉にする必要はありません。普段の話し方のまま、4つの順番だけ意識すれば十分です。
家族:家事の分担をお願いする
よくある失敗と対処法
Dに気持ちや推測が混ざる

「また遅れているよね」ではなく、「今月は3回、提出が期限の翌日でした」と、数えられる事実だけを伝えます。
Dが長くなりすぎる
事実は、ひとつか二つに絞ります。あれもこれもと並べると、責められている印象になってしまいます。
Eで「あなたは」と責めてしまう
「あなたはいつも勝手だ」ではなく、「話を聞いてもらえなかった気持ちになりました」と、主語を「私」にします。
Sがあいまい
「ちゃんとしてほしい」では伝わりません。「毎週月曜の朝に共有してください」と、具体的な行動にします。
Cで相手を追い込む
「やってくれるよね?」は、選択肢のない確認です。相手が断れる余地を残しましょう。
また、DESC法は、相手を思いどおりに動かす方法ではありません。自分の気持ちを誠実に伝える方法です。相手がどう応じるかは、相手の選択だと考えておくと、うまくいかなかったときも気持ちがラクになります。
相手の反応がよくないとき
もし相手から「それは難しい」「そんなつもりはなかった」と返されても、慌てなくて大丈夫です。相手の事情を聞いて、Cの段階に戻り、別の案を一緒に探します。一度で解決しなくても、伝えたこと自体が、次につながります。
また、DESC法は、相手を思いどおりに動かす方法ではありません。自分の気持ちを誠実に伝える方法です。相手がどう応じるかは、相手の選択だと考えておくと、うまくいかなかったときも気持ちがラクになります。
DESC法を身につけるコツ
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まずは紙に書く:D・E・S・Cを1行ずつ書き出してから、伝えてみます。
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小さな場面から始める:お店での注文の変更や、家族への小さなお願いなど、気持ちの負担が軽い場面から試します。
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声に出して練習する:頭の中で考えるだけでなく、実際に口に出しておくと、本番で言葉が出やすくなります。
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完璧を目指さない:4つ全部を使えなくても大丈夫です。EとSだけ伝えられれば、十分に変化を感じられます。
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相手の返事を予想しておく:「こう返されたらどう答えよう」とあらかじめ考えておくと、本番でも落ち着いて話せます。
練習の場をお探しなら
日本アサーティブクラブでは、DESC法をオンライン(Zoom)で練習できる講座を開いています。
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アサーティブコミュニケーション入門講座:基礎から学びたい初心者の方向け
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アサーティブコミュニケーション応用講座:DESC法を使って、断る・頼む場面をロールプレイで練習
どちらも初心者歓迎、参加無料です。ひとりでは難しい「口に出す練習」を、ゆるっと楽しく体験できます。
まとめ
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DESC法は、事実(D)・気持ち(E)・提案(S)・選択(C)の4ステップ
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主語は「私」にして、事実と気持ちを分けて伝える
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相手に断る余地を残すことが、対等な関係につながる
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相手の反応がよくなくても、Cに戻って別の案を探せばよい
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紙に書く、声に出すなど、小さな場面から練習する